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おばま工務店的
家づくりメソッド
「丈夫な家のつくり方」というタイトルでお話しします。
平成7年(1995)の阪神淡路大震災や平成23年(2011)の東日本大震災など、全国各地で地震の被害が相次ぎ、天災に対する備えへの関心は飛躍的に高まっています。阪神淡路大震災の時には木造の家の倒壊現場ばかりが掲載され、「木造の家は地震に弱い」といった議論も聞かれましたが、その後倒壊した建物は手抜き工事ないしは戦前の古い施工であることが明らかになりました。
わたしたちも近畿圏内に16棟ほど木材を出荷して建てていたので、すぐに大阪に飛んで被害状況を確認しましたが、震源地であった淡路島北淡町の家にも被害はなく、ホッと胸を撫で下ろしたのを覚えています。この経験から学んだことは、正しい施工をすれば木造の家は丈夫で強いということです。
では正しい施工とはどのようなものでしょうか。そこには業者のモラルが大きく関わっているとわたしたちは考えています。その中身をお話ししていきましょう。
正しい施工 -丈夫な家をつくるための要素-
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乾燥状態や強度が表示された構造材が使われていますか?
昔は1年がかりで家をつくっていましたが、今は金物の発達やプレカットの普及によって工期が短くなり、自然の状態で木を乾燥させていては間に合わなくなってきました。そのため、伐採して間もない生材を未乾燥のまま使う業者が後を絶たず、建具の狂いやクロスの破け、床のきしみなどが発生し、クレームが増えて大きな問題になっています。 乾燥材を使うべきであることは大工が良く知っていますし、公庫の施工でも含水率20%以下が理想とされています。それにもかかわらず生材を使うのは、お客様がわからないことをいいことにした手抜きに他ならず、それがお客様の命を守る大事な構造材であることを考えれば、到底許せないことです。
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食べ物も材木も、考え方は同じです
北欧の材料でホワイトウッドという材木などが輸入されていますが、この木は柔らかくシロアリに弱いため、高温多湿の日本で使うには問題があります。特にシロアリ被害の多い沖縄では、ホワイトウッドや米松は絶対に使用できません。国産の杉、ひのきと比較した工業試験場の実験でも、ホワイトウッド、米松はシロアリ被害が大きいことが報告されています。
食べ物もそうですが家の材料も、やはり価格よりも品質・安全を優先させるべきではないでしょうか。おばま工務店の家に国産材だけを用いているのはそういう理由からです。
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木も人も、
同じ気候風土で育った者同士はしっくり馴染みます
「近くの山の木で家をつくろう」を合言葉に、いま全国でこの運動が普及しています。九州は九州、北海道は北海道というように、それぞれの環境にマッチした家は、それぞれの地元で成長した材料を使って建てるのが一番だと思います。
これまでは家を建てる人が地元の木材を使いたいと思っても、供給体制が整っていませんでした。昭和40年頃から外材に押され、林業がどんどん衰退していったからです。現在、鹿児島県と林野庁では戦後植えた木を、日本の住宅に採用してもらおうと、安定供給と安定品質に向けて体制を整えつつあります。人と同じ風土で成長した安心できる「かごしま材」を使った家がもっと増えるよう、わたしたちも一層努力していくつもりです。
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技術力と、人としてのモラルをもった会社を選ぼう
日本の住宅は大半が木造住宅です。木というものが日本人の生活に深く馴染んでいる証拠だと思います。しかし、家づくりが住宅産業と呼ばれるようになり、工場で生産した部材を組み立てるだけになってしまうと、木の特性を知り、良さを活かせる職人さんはどんどん減ってしまいました。しかし、やはり木造で正しい施工をしようと思えば、こうした本格派の職人さんたちの技術が不可欠です。こだわった家づくりをしている会社は皆、良い腕をもった職人さんの確保に努力しているはずです。
おばま工務店でも、木の扱いに精通した大工さんが腕を揮っています。若い大工さんも伝統の技を一生懸命学んでいます。そして腕よりももっと大切なのが、木への愛情と人を思いやる気持ちです。40年、50年と生きてきた木を、家の材として再び生かしたいと思う心、大金を投じて家族のための家を建てるお施主さんに報いたいと思う気持ち。このふたつのない職人さんはいくら腕が良くてもおばま工務店ではお断りです。