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おばま工務店的
家づくりメソッド
住宅展示場へ行く前に確認してほしい内容についてお話ししたいと思います。
家を建てたいと思った時、多くの人がとりあえず足を運んでみるのが総合住宅展示場ではないかと思います。たくさんの住宅メーカーの家が集まっているので便利ですものね。でもその際に覚えておいてほしいのは、白紙の状態よりも、ある程度の基礎知識をつけて出かけ、自分がほしい情報だけを手に入れた方がベター、ということです。
なぜこんなことを申し上げるかと言うと、白紙の状態で出かけて、スーパー営業マンの言う通りに契約書に判を押し、後で「こんなはずじゃなかった」とおっしゃる方が結構おられるからなのです。どういうことなのか、早速ご説明していきましょう。
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一度書いたらもう顧客です
住宅展示場は、営業マンがいつ来るかわからないお客を待機している場所です。もちろん見学して、質問は大いにして結構です。ただし「資料やイベントの案内書を送りますので、アンケートにご協力ください」と言われたら気をつけてください。なぜなら、その日のうちか間違いなく次の日には約束なしに訪問にやってくるからです。
営業マンを大勢抱えた大手の住宅会社では、アンケートに記入した時点で顧客Aとなります。接客した営業マンは、そのAさんから契約を取らないと一人顧客を逃がしたとみなされるため、必死で即訪問となるわけです。興味がある場合は良いのですが、あまり軽い気持ちでアンケートには応じない方が良さそうです。
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大手には転勤があります
住宅展示場で出会った営業マン。ずいぶん熱心に「土地はお持ちですか」「お建替えですか」「ご予定は」「お仕事は」などと矢継ぎ早に質問を浴びせ、契約するまで何度も何度も自宅までやってくる。ついつい熱心さに負けて印鑑を押したら途端に顔を見せなくなった・・・
こういう話は決して珍しくはありません。ノルマに追われる大手の営業マンは、とても契約した後の顧客のことにまで手が回らないというのが実情。どちらにしても3年程で転勤することが多いので、余計にフォローができないのです。
本人の人柄にかかわらず、そうした制約の中に大手の営業マンはいるということを覚えておきましょう。もしあなたが大手のブランド力よりも、顔の見える関係でずっとフォローが続くことを重視するならば、断然、地域密着型の地元の業者を選ばれることをお奨めします。
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その家、インテリアがなくても魅力的ですか?
おしゃれで優雅な空間が広がる総合展示場。広いリビングで高級な家具が美しくコーディネートされているのを見てうっとりする気持ちはよくわかります。でもその後で、ちょっと冷静になって家具やカーテン、小物を取り払った状態を想像してみてください。するとあら不思議、ただのクロスを貼った四角い部屋になってしまいませんか?
展示場の家はプロのコーディネーターが、多くの予算をかけて高級家具や高い生地を使用したカーテンなどを飾り付けるのですから、素敵なのは当たり前です。それらを全部外して空間だけにしてみても「太い木の梁や漆喰の壁に囲まれてとても素敵」とか「間取りがとても使いやすそう」という気持ちになるなら、その家は本物の魅力をもった家です。うわべの飾りに惑わされず、空間そのものの心地よさ・使いやすさを見るようにしましょう。
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それは本当に夢を叶えられる自由設計ですか?
モデルハウスを見て回っていると、『完全自由設計』を謳っているところがよくあります。ところがいざ話してみると、1mの本間造りにしたいのに、「生産工場の規格上91cmの規格サイズしかできない」と言われたり、構造材が見えるように、天井の勾配なりに板を貼ってと頼むと「それは出来ません、良くないですよ」とよくわからない返答をされたりということが起こります。
そういう会社はあくまでも生産工場の規格の中でしか設計できないのであって、それを敢えて変えようとすれば「特別仕様なので追加工事となります」と言われてしまうのです。自由設計イコール不自由設計でないのかどうか、最初によく確認することが重要です。
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等身大の家を見ないと正確な判断はできません
展示場を見て、もし気に入った家があっても、すぐにプランニングには進まずに、実際に建てた方のお住まいを拝見させてもらったり、建築中の現場を見せてもらったりしてください。なぜなら、住宅展示場の家は坪数も大きく、内装材や外壁にもたっぷりと予算をかけており、現実に建てているものよりグレードが高い場合が多いからです。
モデルハウスが気に入ってその会社を選んだのに、いざプランニングを始めると予算がないからと夢が何も実現できなかったということがないよう、必ず自分が考えているのと同程度の家を見学させてもらいましょう。それもできるだけたくさん見ることをお奨めします。
もしも案内を渋るようなら、自分の会社の家づくりに自信がないのかもしれません。反対に、その家に住んでいるご家族に意見を聞けるような段取りまでしてくれる会社は、絶対の自信があるのでしょう。そういう会社は本物だと言えます。