家族みんなが生き生きと暮らす 受け継がれた山の木でつくる住まい
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家族みんなが生き生きと暮らす 受け継がれた山の木でつくる住まい

薩摩川内市 I様邸

「子々孫々のために」と植えられ、大切に守られてきた山の木。先祖から代々受け継がれてきた木々が、家族を守る家という形となり次の世代への繋がっていく。そんな家づくりができるのが、おばま工務店の大きな特徴の一つです。

緑豊かな環境に佇むI邸も、ご実家の山の木を使い造られた、想いのこもったお家です。鎮守の森と天神池を望む穏やかな立地。風情のある景色にしっくり馴染むような、落ち着いた、どこか懐かしさを感じる外観。軒は深めにして室内に入る陽射しを調整するなど、自然光と風を気持ちよく採り入れるデザインとなっています。

軽い気持ちで出掛けた住宅フェアで初めて住まいずを知ったというIさんご夫妻。自らブースに入ったのではなく、会長に声をかけられるという受動的な出会いだったそう。
「いきなり、”山を持っていますか?”と質問されました(笑)。話を聞いてみると、自前の木で家を建てられるというじゃないですか。だんだん興味が湧いてきて、妻の実家が山を持っている、と答えたんです。」
すると数か月後に会長が山を訪れ、山の木に印をつけて帰ったのだとか。この時点でIさんは、まだ住宅をどこで建てるか未定だったと言います。
「義父がきちんと手入れをしてをしていたこともあり、山の木をとても褒めてくださって。そうした木を使って家を建てるのも、義父や先祖の労に報いることにもなるのかな、と考えました。」
さらに住まいずをよく知るため、Iさんご家族は常設展示住宅『五季の家』にて宿泊体験。木づくりの住空間の心地よさを実感されました。
「建てられて数年経っているそうですが、木肌が馴染んで温かな雰囲気。木の家の魅力を再確認しました。」とIさん。
こうして住まいずでお家づくりが始まったI邸は、構造材はすべて実家の山から調達。歩留まりがよいため、通常では3.5寸の構造材を4寸に。また、通し柱には8寸の太さを2本確保。大黒柱として、暮らしに安心感を与えてくれます。

 

家族で大半の時間を過ごすLDKは、奥の和室までさり気なく繋がる大空間。適度な間仕切りや絶妙なレイアウトセンスで、部屋全体が見えすぎないつくりになっています。回遊性のある生活動線のおかげで、4人家族の日常がよりのびやかに。漆喰壁を組み合わせた優しい表情の室内は、吹き抜けから光が差し込み、明るさも申し分なしです。

LDKでは、あえてキッチンは壁付けにすることで作業効率をアップする狙いが。ご主人も料理好きで、休日はよく手料理を振る舞うそう。作業台があることで、子ども達もお手伝いしやすいスペースに。キッチン周りで和やかに過ごすご家族の姿が想像できます。
あえて見せる収納が多めのI邸ですが、家具やインテリアの色味を統一することで、不思議とごちゃつかず落ち着いた印象に。くつろぎ感を重視して、ダイニングテーブルはあえて低いものを選択したこともポイント。キッチンの作業台も収納力をたっぷり持たせ、毎日使う食器などはここに。

子どもがいる日常を、愛を持って楽しむ暮らし

「遊ぶことが学び」と言われる育ち盛りのお子さんが2人いるIさん家族。子どもにとってのびのび自由に好きなことをできる環境は、とても大切ですよね。I邸には1階にも2階にも、お子さんのおもちゃなどが沢山置かれていて、お子さんのためのスペースがたっぷりある印象。子どもがいるとどうしても散らかってしまう心配がありますが、子どもがいるからこその生活感も、潔く見せれば愛着のある光景に。今しかない子ども達の笑顔が、I邸では眩しく光っていました。

リビングにはソファなど置かず、広々と動ける空間に。造作収納棚はオープンタイプで、カゴや箱を活用して見やすく使いやすいように整理されています。パッと見て何が入っているか分かるので、子ども自らお片付けもしやすい収納方法です。存在感たっぷりの8寸の大黒柱が見守っています。

ピアノの裏側にはスタディスペースを確保。仕切があって集中しやすく、大人からはいつでも目配りができるよう工夫されています。姉妹並んで楽しくお勉強ができますね。

絵を描くのが大好きな子ども達のために、納戸の壁黒板用塗料で仕上げ、思いのまま描ける場所に。広い空間に自由に描くことができて、子ども達も嬉しそう。毎日変わる絵を楽しむことで、お子さんの成長も感じられます。

三角屋根に板張り天井が美しい2階のフリースペース。今は子ども達のおもちゃを置いてますが、成長とともに自由に使い方を変えていける空間です。木のぬくもりを身体中に感じられ、自然と元気になれる空気が流れています。

家族みんなで暮らす家だから、みんなが使いやすい家に。そんな想いが込められたI邸は、家事動線にも工夫とこだわりが。コンパクトな水回り動線+モノの居場所の明確さで、お手伝いもしやすい造りになっています。洗面台下の収納スペースも見せる収納にして、それぞれが家のことを分かるように。洗面と脱衣所は間仕切りできるようにスライドドアを採用。女の子が多い家族ならではの配慮でもあります。他にもアイランド風キッチンに作業台を据えたり、衣類用の納戸を設けたりと、暮らしやすさを考えたつくりに加え、回遊性のある生活動線もポイントの一つです。

吹き抜けからは1階にいる家族の様子を伺え、どこにいても家族の気配が感じられるレイアウトに。Iさんご夫妻の「子ども達とのコミュニケーションを大事にしたい」という思いが至るところに具現化されています。

家の周りに広がる木々の穏やかな景色に溶け込むI邸。ご実家の山の木が、今を生きるご家族の大切な住まいへと形を変え、ご先祖の想いは受け継がれていきます。家族の温かい日常を包み込む、笑顔溢れるI邸でした。